いろいろなメーカーから出ているボールペン。
この記事では、三菱鉛筆が出している500円以下のボールペンのうち、
ゲルインクのボールペンについて徹底比較していきます。
なお、比較は実際の見た目(写真付き)、書き心地を中心に行っています。
シリーズごとの比較
uni-ball one( ユニボール ワン ) (ボール径0.38、0.5)
特徴
新しく開発した顔料インクにより、今までのゲルインクボールペンより、濃く、鮮やかな色合いです。
その結果、記憶に残りやすい効果が得られるようです。
また、速乾性があるため、にじみがなく、裏写りもしません。
可動式のクリップがついています。
このシリーズには、ユニボール ワンとユニボール ワン Fがあります。
ユニボール ワン F は、ボディのデザイン、「スタビライザー機構」というペン先に重心を置いた構造になっているという違いがあります。
インクは同じです。
書き比べ
書き味は、さすが新開発のゲルインクと言いますか、とてもなめらかで、またカリカリと引っかかる感じもまったくありません。
だからと言ってすべり過ぎるということはなく、トメ、ハネもしっかりと書けます。
0.38mmでも、その細さにもかかわらずそう言えます。油性のボールペンだったら、引っかかる感じが強かったりインクの出が悪くかすれたりする間も知れませんが、このタイプはそんなことは全くありません。
0.5mmになると、ペン先のボールが大きくなる分、書き味はさらになめらかになります。
「スタビライザー機構」がついているユニボールワンFの方は、重心が低い、つまりペン先の方に重心があるため、また違う書き心地です。重心が低い分、すらすらと書ける感じがします。
一方、少し重いかなという印象もあります。文字をたくさん書く場合には疲れてしまうかもしれません。
ユニボール R:E (ボール径:0.38、0.5)
特徴
熱を加えると消える(60℃以上)インクを使用しています。そのため、ノック部についている専用消し具でこすることにより、消して書き直すことができます。
このシリーズにはベースとなるユニボール R:E、可動式クリップのユニボール R:E オープンクリップ、2色や3色、多機能といったユニボール R:E 2などがあります。
書き比べ
黒系のインクの色は「オフブラック」というものになります。ブラックではありません。
それで写真のように、薄い黒色です。
0.38mmは、かなり引っかかる感じがします。正直、書きにくいです。
0.5mmは、ボール径が大きくなった分、大分書きやすくなっています。カリカリ引っかかる感じもありますが、なめらかさも加わり、線幅も太くなっている分、色も濃く感じられます。
このシリーズの特徴である消せるという部分ですが、写真を見てのとおり、きれいに消えています。
よく見れば少し残っているとも言えますが、実際に見てみると十分です。
ユニボール シグノ キャップ式
特徴
このシリーズには
- ユニボール シグノ
- ユニボール シグノ スタンダード
- ユニボール シグノ エンジェリックカラー
- ユニボール シグノ 太字
があります。
これらの違いはデザインや色の違いであり、同じ顔料インクです。
(ただし、ユニボールシグノの0.5mmの替え芯とユニボールシグノスタンダード0.5mmの替え芯は、別のものになります)
(スタンダードの0.8mmとエンジェリックカラーに、黒色はないので、ここでは除きます)
特徴は以下の表にまとめました。
ボール径 | 特徴 | |
ユニボール シグノ | 0.28 0.38 0.5 | 顔料インクを使用しているためなめらか、にじまない。 耐水性により、水に、にじまない。 耐光性のため、色あせしにくい。 |
ユニボール シグノ スタンダード | 0.5 | |
ユニボール シグノ エンジェリックカラー | ||
ユニボール シグノ 太字 | 1.0 |
書き比べ
0.28mmの書き味には正直、驚きました。まったく引っかかりがなく、なめらかに書けるのです。
この細さは、以前ならインクの出が悪くかすれたり、引っかかりが強かったりと、実用に耐えないどころか、とてもじゃないが書けないというのが本音でした。でも、今回の商品は全く問題ありません。ボール径の小ささゆえに、0.38mm以降のより大きなボール径のものと比べると、少しなめらかさは小さくなっているかもしれませんが、十分です。
ボール径が0.38,0.5、1.0と大きくなるにつれ、なめらかさはさらに良くなっていきました。
1.0mmは、水性ボールペンに近い書き心地だと思います。軸部分に「事務・あて名書き用」と書いてあるので、その用途のものではあるのでしょうが、とにかく太いです。だからと言ってにじむことはありません。ただインクの減りは早いかも。
ユニボール シグノ ノック式
特徴
ノック式のシリーズには、
- ユニボール シグノ 307
- ユニボール シグノ RT1
- ユニボール シグノ ノック式
があります。
なお、3番目の「ユニボールシグノノック式」は上で扱ったユニボールキャップ式シリーズと同じインクを使用しており、そのノック式になります。また ユニボール シグノ RTとRT1も同じインクです。
(ユニボールシグノ ノック式の0.7mmは生産終了、かつ販売も終了しているようなので除きます)
ボール径 | |
ユニボール シグノ 307 | 0.38、0.5、0.7 |
ユニボール シグノ RT1 | 0.28、0.38、0.5 |
ユニボール シグノ RT | 0.38、0.5 |
ユニボール シグノ ノック式 | 0.5、 |
特徴は以下の通りです。
ユニボール シグノ 307 の特徴
セルロースナノファイバーという、植物由来のゲルインクの新素材を使用しています。
非常になめらかに書け、ササっと速く書こうとしても、かすれません。
またインク溜まりができにくいのも特徴です。
顔料インクなので、光による色あせがしにくい、水ににじみにくいといった特徴もあります。
ユニボール シグノ RT1 の特徴
RT1はボール径が 0.28、0.38、0.5mmと細いラインナップになっています。
しかし、新しく配合したインクとペン先の構造により、カリカリと引っかかることなく滑らかに書くことができます。
またゲルインクですが、水性顔料インクも配合し、耐水性、耐光性にもすぐれています。
(RTもRT1と同じインク。替え芯も)
書き比べ
(ユニボールシグノ ノック式は上記のキャップ式と同じインクの種類のため、書き比べはそちらで記述しています)
ユニボールシグノ307シリーズ
307シリーズは、とてもなめらかな書き味です。
0.38mmでもカリカリと引っかかることなく、なめらかに書けます。この細さとは思えません。
にじみもなく、色も濃く発色もいいです。
0.5mm、0.7mmと太くなるにつれ、なめらかさはより大きくなります。
0.7mmは、一気に太くなる感じで、もはや水性ペンの書き味です。その分、インクが出ているのかもしれませんが。だからと言ってにじんだり、裏写りすることはありませんでした。
なお、このシリーズはグリップにも特徴があり、凹凸があるためしっかりと持つことができます。
ユニボールシグノRT1シリーズ
このシリーズはカリカリ系です。0.28mmはボール径の小ささのため、引っかかりがより強く感じます。
0.38mmは、引っかかり感が少しおさまり、なめらかさが増しました。
0.5mmは、なめらかさとカリカリ感のバランスが抜群で、とても書きやすいです。しっかりと、書いている感があります。
シグノRT1シリーズは、上記のキャップ式で取り上げたシグノシリーズと比べると、インクの色が少し薄いように感じました。
ユニボールシグノRTシリーズ
0.38mmは、引っかかり感がとても強いです。RT1シリーズの0.38mmはもっと引っかかりが小さく、なめらかだったのですが。筆圧が強い人や、より引っかかり感が強い方を好む人向けでしょうか。
0.5mmになると、カリカリ感は減少し、なめらか感が上がっています。むしろ、なめらか系なのではと思うほどです。
ボール径(太さ)による比較
ここでは、ゲルインクシリーズの中で、同じボール径(線幅)のものを比較しました。
0.28mmの比較
線の幅は同じように見えます。色の濃さについては、上記で、RT1シリーズの方が少し薄く感じると記述しましたが、これを見るとそれほどでもないかなとも思いました。つまり、それくらいの程度ということです。
書き味は、RT1の方が引っかかりが強く、シグノの方がなめらかです。
そのため書き味で選ぶなら、シグノの方がオススメです。
一方、シグノはキャップ式、RT1はノック式です。こういった使い勝手で選ぶ方法もあるでしょう。
0.38mmの比較
307が一番太く、その分発色もよく見えます。REは、オフブラックということもあり、やはり薄いです。
書き味を比較してみると、なめらかの大きいほうから
なめらか大 ワン>シグノ>307>RT1>RT カリカリ大
と感じました。
どれを選ぶのかはもちろん好みにはよりますが、なめらかさが一番大きなユニボールワンがオススメです。(なお、こちらはFシリーズではないほうです。Fは個人的には少し重く感じました)
0.5mmの比較
見た目に関しては、0.5mmも、上記の0.38mmと同じような印象です。 307が一番太く、その分発色もよく見えます。REは、オフブラックということもあり、やはり薄いです。
書き味を比較してみると、なめらかの大きいほうから
なめらか大 307>シグノ>ワン>RT1>RT カリカリ大
と感じました。
オススメは、ユニボールシグノ307です。
一番なめらかだったのに加えグリップに凹凸があり、よりフィット感がありました。
ゲルインクの中での一番のオススメ
これまでの比較を通して、ゲルインクの中で一番のオススメを紹介します。
ただ、用途によっても異なると思いますのでボール径を0.28mm-0.38mm、0.5mm-0.7mm、それ以上に分けることにします。
0.28mm-0.38mm
細字ですので、細い文字等を書きたいときの場合です。手帳用などがあげられるでしょう。
その中での一番のオススメは、ユニボールワン0.38mmです。
シグノ0.28mmとの2択ではあるのですが、ユニボールワンの方が、よりなめらかに書けると感じました。ボール径が大きくなるので当然ではありますが。
0.28mmよりも太くはなりますが、そこまで気にするほどでもないと思います。むしろ色濃くなる分、文字がよりはっきりと見えます。
0.5mm-0.7mm
このボール径は、普段使い(仕事用、学習用、家での使用)で使用する場合におすすめです。
その中での一番のオススメは、ユニボールシグノ307の0.5mmです。
0.5mmでの比較は上述のとおりです。
0.7mmのボール径は、307シリーズがあります。
ただ307の0.7mmは一気に太くなる感じがするため、比べると0.5mmの方がいいと感じました。
1.0mm
大きい文字を書きたい場合(あて名書きなど)です。
これは一択です。
ユニボールシグノ1.0mm
かなり太くなるので、これを選ぶ場合は用途・目的がはっきりとしていると思います。
まとめ
ここまで、 三菱鉛筆が出している500円以下のボールペンのうち、
ゲルインクのボールペンについて徹底比較してきました。
書き心地、見た目などそれぞれに特徴があったと思います。
どれを選ぶか、用途によって違ってくると思いますが、よりいいものを選択して頂ければうれしいです。
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